とろろと雑記

日常の生活や好きなものを黒歴史になる程度に赤裸々に記録していくブログ。

2023年12月9日

懐かしい

長い間ブログ自体を書いていなかった。 マークダウン記法も久々で、このページに辿り着いたのがまず奇跡。
ここに戻ってきたのは書きたいことができたから。 日記だと正直まともに管理できないから、思ったことを書き散らかす感じで書いていく


本題

VOCALOID曲に「ロミオとシンデレラ」という曲がある。
学生の時にMIKU-TANさんという方が英語で歌ってみたを上げているのを見つけ、気に入ってよく聞いていた。 当時色々な曲を出していたが、この曲が特別好きだったのを覚えている。確かニコニコ動画だったと思う。
この後の話にもかかわるので、リンクを貼っておく。

www.nicovideo.jp

で、最近になって、英語のVtuberにド嵌まりして、英語の歌ってみたとかを頻繁に聞くようになった結果、rachieさんという方が出している曲達に落ち着いた。
それをyoutubeのプレイリストでぼんやりと聞いていたら、この曲が飛び込んできて思わず飛び上がった。

www.youtube.com

懐かしい歌詞。それもそのはず、概要欄に記載があるが、MIKU-TANさんの歌詞をインスパイアして、ほぼほぼそのままで歌っていた。
懐かしくて両方聞き比べていたが、少し歌詞が違うことに気が付いた。
途中からは大体一緒だが、前半が少し違う。
逆に「この部分を何故変えたのか」が気になり、私のポンコツ英語力で考えてみた。

歌詞が違っている箇所

1段落目、日本語で言うと「私の恋を悲劇のジュリエットにしないで ここから連れ出して そんな気分よ」の箇所と、
2段落目「大人はもう寝る時間よ」にあたる部分だ。

2段落目は若干のニュアンスは変わっていても何となく言葉を整えただけな感じがするので、1段落目が意味を持った変更のようだ。
とりあえず当該部分を下に並べてみる。

MIKU-TANさん

Please don't let our love turn out into a tragedy like it was for Juliet
Take me away into your arms...
It's all I ask of you

rachieさん

I don't want our love to be something of a juliet of a tragedy
Don't let me go ; Take me from this story
Is just what I've been thinking

本家様

私の恋を悲劇のジュリエットにしないで
ここから連れ出して
そんな気分よ

パッと見、It's all I ask of youの解決感が綺麗なので、わざわざ変えた意味がある、と仮定してその意味を少し考えてみたい。

違いの分解

和文と見比べるとどちらもきれいに英訳されている感じがする。
ただ、英語の構成上、日本語にはない情報が付け足されているのが分かる。

この差を美しく和訳できればよいが、残念ながら私のスキルが足りていない。
ということで手間になるが、理系チックに進めて行こう。
まずは要素を表にしてみた。1文目から。

<1文目の差異>

要素 MIKU-TANさん rachieさん
前半 〇〇させないで したくないの
動詞 turn to(変える) be(=)
何を? our love our love
どうする a tragedy like it was for Juliet(ジュリエットがやったみたいな悲劇) something of a juliet of a tragedy(悲劇のジュリエットみたいななんか)

個人的は、Julietが固有名詞から数えられる名詞に変わっているところが肝と思う。
あの悲劇の代表の物語、からありふれた悲劇の一つ、で大きく意味が入れ替わる。

MIKU-TANさんの歌詞では「貴方の行動で、今は悲劇でない私たちの恋が悲劇に変わる。だからそうしないで」という意味を含んでいると解釈する。
一方でrachieさんの歌詞では「誰のせいかは分からないが、悲劇のジュリエットみたいな、そういう物語になりたくない。」という意味と解釈できる...。はず。
ちなみに重ね重ね、私の英語は信用しないほうがいい。

2文目の比較はこちら

<2文目の差異>

要素 MIKU-TANさん rachieさん
動詞 連れ出して 置いていかないで/連れ出して
目的語 me(私を) me(私を)
どこへ? into your arms(貴方の腕の中へ) ―/―
どこから? ―/物語の中から

元歌詞にあった、「ここから連れ出して」の解釈で分かれている。
MIKU-TANさんの歌詞では「貴方の腕の中へ連れて行って」として、「ここ」が「貴方が居ないこと」を指している解釈で
rachieさんの歌詞では「置いていかないで、物語の中から連れ出して」として、「ここ」が「悲劇の物語というレールの上」という解釈になるはずだ。

3文目の比較はこちら

<3文目の差異>

要素 MIKU-TANさん rachieさん
台詞 It's all I ask you(君に言いたいのはそれだけ) Is just what I've been thinking(それが私の考えてること)

正直ここは自信がない。
君に要望(ask)しているか、自分が思っている(think)だけなのか、内向き、外向きの積極性が違うと思われる。

解釈の差異まとめ

両者で大きく異なる部分をまとめた。

<解釈の差異>

要素 MIKU-TANさん rachieさん
悲劇とは ジュリエットみたいな悲劇 ジュリエットの物語みたいな(ありふれた)物語
現状 今の恋は悲劇ではない(これから悲劇に変わる可能性がある) 悲劇の物語のレールの上に載っている可能性がある。
”君”にお願いすること →悲劇に変えないで欲しい →置いていかないで欲しい
 悲劇の物語から連れ出してほしい

これを踏まえたうえで、自分の解釈と合う方を検討する。

自分の解釈

今更にはなりますが、あくまでも「解釈」なので優れた解釈とかがあるわけではなく、人の数だけ違った考え方がある、ということは念頭に置いてください。

元歌詞で、「何故、この曲は"ロミオとジュリエット"ではなく、"ロミオとシンデレラ"なのか」を検討する。

本歌詞2番から引用する。

逃げ出したいのジュリエット
でもその名前で呼ばないで
そうよね 結ばれなくちゃね
そうじゃないと楽しくないわ
ねえ 私と生きてくれる?

ポイントになるのは「でもその名前で呼ばないで。」であり、「私はジュリエットではない」という訳ではないということ。
恋人として、自分がジュリエットの立場にいる。でも、ジュリエットと呼ばれたら悲劇が確定してしまう。
だから、この物語を捻じ曲げるために、私はジュリエットではないことにする。

そう考えれば、私の解釈は、
「今の"自分"と"君"の現状がロミオとジュリエットであり、その物語から逃れること」
が本歌詞の主題と想定する。

以上より、"解釈の差異まとめ"で述べた差異はrachieさんの解釈と一致する。
ここの解釈にそろえるために、歌詞を変えたのではないか。それを私の結論とする。良い改変だと思う。


最後に

という訳で勝手に解釈をしてきたが、そもそもが全部妄想で、かつ英語もちゃんと訳せているか怪しい。

でも、こういう風に作詞者がどう考えたのか。どうしてこの訳にしたのか。
それが見えてくるから、英歌詞は面白い。ということが少しでも伝わったら嬉しいです。

お二方とも声質が違っていて、どちらの動画もお勧めなので、もしまだ聞いたことがない人は是非。

ではでは。